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お使い初めの前に

こちらのページでは、末永く、気持ちよくお使いいただけるように・・・と
器の使い方や、お手入れ方法などを、ご紹介させていただいております。
ちょっとした事や、面倒な事などあれこれですが、
作り手として、『こうしてもらえると良いな』と言った事だったりします。
ご参考にして頂けると有難く思います。

中御門 雅広
■粉引の器、ご使用いただく前に
一般的に、土もの(備前・信楽など)と呼ばれる器は使い始めが肝心です。当方の器もこれに属します。
また、土ものと言われる中でも特に、粉引の器は取り扱いに注意が必要となります。
独特の、やさしい風合いが心地良い粉引の器は、吸水性があり、その白さと、製作方法から汚れやしみが付き易い器となります。
汚れとは言っても、和の器ではそれらを、味とみなす所があり、私自身も楽しんでおります。
しかし、なのですが、限度があります。
『使い始めが肝心』と言うのは、お使い前に以下の様な処理をして頂く事でそれらを和らげる事ができ、カビ対策にもなります。
無防備なお手入れ前の肌と同じで、いきなりお醤油やカレー、コーヒーなどにご使用頂くと、シミが取れなくなり、
末永くご使用いただくにはちょっと・・・と言った事になりかねます。
トラブルを事前に防ぐために、ご使用前には目止めをされる事をお勧めします。

①器が浸かるサイズのお鍋と、米のとぎ汁(なければ水でOK)をご用意いただき、その中に残った物で良いので炊いたご飯をスプーン1、2杯ほど入れてください。
②冷たい状態から①で用意した液体に器を入れ、弱火から中火ほどの火加減で
ゆっくりと温度を上げ、沸騰する少し手前で火加減を弱火にし、そのまま炊いていただき
入れたご飯がゆるいお粥の様な状態になれば火を切ります。(15分ほど)
※器は熱により膨張する性質があり、火加減が強すぎる場合、器の一部だけが高温となり、低温部との熱膨張率の差からヒビや割れが生じる事があります。
ゆっくり温度を上げれば大丈夫ですので必ずそれを守って下さい。
※煮立つほど沸騰させると、その勢いで器がゆれ、お鍋やまた器同士と当たり、欠けなどが生じる場合があります。温度を上げすぎないようご注意いただくと共に、複数の器を同時に処理していただく場合、器の間にキッチンペーパー等をはさんでいただけると安心です。
※お皿など高台のある器の場合、高台内に空気が溜まらない様に器を液体の中に入れ処理して下さい。高台内に空気が溜まっていると、お鍋と器が張り付き取れなくなる事があります。
③そのまま冷ましその後、良く洗いご使用ください。
※できれば半日ほど浸けといてください、また熱い器を,急冷しないで下さい。破損の恐れがあります。
もしも鍋と器が張り付き取れなくなった場合は、もう一度液体を入れ火にかけ、高温の時にしゃもじなどを使って器をはずしていただき、そのまま冷ましてください。

※大きな器など、器が入るお鍋が無場合は、洗い桶など、器が入る容器をご用意下さい。
②で用意した液体のみを別のお鍋で温め、洗い桶などの容器に注ぎ、その中に器をつけ、、そのまま冷まし良く洗いご使用ください。
煮沸するより効果は薄れるかもですが、この方法でも効果は得られます。

ちょっと面倒かもしれませんが大切に扱うことで土ものの器は使い込むうちに
しっとりとした風合いに変化していき、いい味がでてきます。
陶器の味とぬくもりをお楽しみくださいませ。

粉引の器は吸水性があり、水につ けると、水分を吸ってグレーの斑点のようなシミがあらわれるのも特徴です。
お使い始めは下の写真のように、水分をすいやすく斑点が出やすいですが、目止め処理をしていただく、また、しばらくお使いいただくと
変化はしにくくなります。(水の場合は乾燥すると元に戻ります)
ご使用前に、目止め処理をせず、ご使用になると、水の代わりに煮汁や飲み物がしみ込む事になり、その色が取れなくなってしまいます。
ご使用前に目止め処理をしていただく事をお勧めします。
乾燥状態 水につけると
※目止処理、もしくは,しばらくご使用されると変化しにくくなります。

■黒錆の器、ご使用いただく前に
粉引の器と同様に目止をさせる事をお勧めします。
こちらも、土ものと呼ばれる器で、吸水力があり、また表面の釉薬の特性から(釉薬の表面に極小の凹凸があるマットな質感の為)
お使い当初から油物などにご使用いただくと、油や匂いが移る場合がございます。
お使いはじめに目止をしていただく事で、匂い移りなどを抑えることができ、その後も器がやわらかく育ってくれるかと思います。
お届け時は、マットな質感ですが、使い始めのお手入れ(目止処理)や、しばらくお使いいただく中でしっとりとした質感に変化し
釉薬中の雪のような金属結晶がくっきりしてきたりと、そんな質感に育つかと思います。
お使いいただく中での変化も楽しんでいただける幸いです。(個人的には使い込んだ感じが好きです)

●黒錆釉の成分について
お手入れ方法とは異なりますが以前ご質問をいただいた事で・・・・その成分について。
釉薬に金属結晶などが出ている為か、食器として使用して毒性などが無い成分なのかご質問をいただいた事がございます。
釉薬中には毒性があるとされる、鉛やカドミウムなどの成分は使用しておりません。
釉薬中に使用している金属は、鉄瓶などから摂取する程度は人体への吸収もあるかもしれませんが
使用している原料は食品にも含まれる、微量必須元素とされる物であり
もしも摂取した場合も、人体に悪影響を及ぼす成分ではございませんので安心してご使用下さい。
また、金属類が多めの釉薬となる為、敏感なお客様はカップなどの場合、若干金気の匂いを感じる場合があります。

■土ものの器、料理を盛り付けるときに
盛り付ける前にしばらく水につけると、油分・汁気・においが進入しにくくなります。

■ご使用後は
ご使用後はなるべく早くお湯で洗ってください。(食品を入れたままの保存はなるべく避けてください、シミやにおいの原因となります。)

■食器洗い機のご使用について
なるべく手で洗うようにしてください。セットの仕方によりますが、バシャバシャと水圧がかかる事により、器がゆれたり、その際、器どうしや金属かご、本体と接触し、欠けやキズの原因になります。
とはいえ、やはり食器洗い機は便利です。ご使用される場合は、器が不安定な状態にならぬ様、しっかり金属かごにセットしてください。温度などには十分耐えられます。
その後、よく乾かしてから収納してください。(乾燥不足はカビやにおいの原因になります。)

■すべての器、電子レンジ及びオーブンのご使用について
電子レンジはご使用いただけます。ただ、熱くなった器を水に漬けるといった行為はお控えください。磁器などキメが細かい、また良く焼き締まった器ほど、急冷・急熱に弱く最悪の場合は割れてしまいます。
オーブンでの使用はお控え下さい。耐熱陶土を使用し製作しておりませんので、割れてしまいます。

●最後に
長々となり申し訳ありません。ごらん頂けましたでしょうか?
粉引の器など、欠点とも取れる内容かも知れませんが、できの悪い子ほど、と言いますか、やはり他にはない風合いや、面倒とも言える過程をへて、だんだん、いとおしくなってしまいます。
そんな過程もお楽しみ頂けると幸いです。   中御門 雅広
※粉引の器の特徴やお手入れ方法は当店の器に限らず、適用していただけます。
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